公開日 2024.06.26 更新日 2024.07.09

建設工事の見積書の書き方を解説!概要や内訳・必要な項目を紹介

建設工事の見積書はどのような役割を果たし、どのような項目が必要なのか、具体的な内訳や分類について知りたい方もいるでしょう。工事見積書は、工事に必要な費用や条件を明確に示す重要な書類であり、信頼性を高めるためにも正確な情報が求められます。

 

この記事では、工事見積書の基本的な構成や必要な項目、費用の内訳について詳しく解説します。また、見積書作成のポイントや効率化のための方法、さらに具体的なソフトウェアの導入事例についても。

 

本記事を参考にしていただくことで、見積書作成の全体像が掴め、効率的かつ正確な見積書を作成する手助けになるでしょう。

工事見積書(建築見積書)とは?

工事見積書は、建設工事にかかる費用や詳細を記載した書類です。この書類には、工事の総費用だけでなく、具体的な作業内容やそれぞれの工事費用の内訳も含まれます。

 

建物が完成するまでの全ての工程に関する情報が盛り込まれ、正確な予算管理や工事内容の把握に役立つでしょう。見積書は、発注者と施工業者の間での契約や、工事進行の基準となるため、非常に重要な書類だと言えます。

工事見積書の作成の流れ

工事見積書の作成は、建設現場の情報や建物の設計図をベースにします。発注者は、設計図書や見積条件を施工業者に提供し、それに基づいて施工業者が詳細な見積書を作成。

 

設計段階での概算見積もりとは異なり、具体的な工事計画が確定した後に詳細な見積書が作成されるケースが多いです。設計図の精度や工事条件の明確化が重要であり、工事費用を正確に算出しなければいけません。

 

最終的に作成された見積書は、発注者と施工業者の間での交渉や契約の基礎資料として使用されます。

工事見積書が担う役割

工事見積書は、発注者と施工業者の間で共有されることで、工事の進行を円滑にし、双方の合意を形成する役割を果たします。

 

具体的にどのような役割があるのか解説します。

社内外へ詳細の説明ができる

工事見積書は、社内外への説明ツールとしても利用します。工事の進行状況や費用の詳細を明確に記載すれば、取引先や関係者に対し、工事の全体像をわかりやすく伝えられるでしょう。

 

特に、建設業に詳しくない取引先にも分かりやすい形で情報を提供でき、信頼関係の構築に役立ちます。

工事の条件を明確にすることができる

工事見積書を作成することで、工事の条件を具体的に示せます。発注者に対して「この条件であれば工事を引き受けられる」といった基準を提供するものです。

 

見積書には、使用する資材や施工方法、工事の範囲などが詳細に記載されるため、発注者は提示された条件をもとに工事の可否を判断できるのです。これにより、双方の認識にズレが生じるのを防げるでしょう。

安心感や信頼を与えることができる

工事見積書には、費用の内訳や作業の詳細が記載されているため、発注者に対して透明性を提供し、信頼を得られます。何にいくらかかるのか明示することで、発注者は費用の妥当性を理解しやすくなります。

 

また、業界の相場と比較することで、見積金額の適正さも確認できるでしょう。トラブルを未然に防ぎ、信頼性の高い取引が可能となります。

工事見積書に必要な構成と内容

工事見積書は、一般的に3つの構成で完成されます。

  • 見積書表紙
  • 見積内訳書
  • 見積条件書

ここでは、工事見積書の構成と内容についてチェックしましょう。

見積書表紙

アドバン見積書表紙

 

見積書表紙は、工事見積書の冒頭に位置し、工事の概要を一目で把握できるように設計されています。ここには、工事の総額、工事名、建設場所、見積書作成者の連絡先などが記載されます。

 

このページを見るだけで、工事全体の費用や基本的な情報が簡単に確認できるため、関係者全員にとって重要な部分と言えるでしょう。また、国土交通省が提供する「公共建築工事見積標準書式」をベースにしている場合、法定福利費なども含まれています。

下記からアドバンの見積書表紙をダウンロードできます。

【サンプル】建築見積ソフト「Kensuke Neo」見積書表紙

見積内訳書

アドバン見積書内訳

見積内訳書は、工事費用の詳細な内訳を示したページです。ここには、各工事項目ごとの費用、使用する材料、工事内容、単価などが細かく記載されます。仮設工事や基礎工事、設備工事など、具体的な工事で分類されており、数十ページにわたるケースも。

 

詳細な内訳により、工事の各段階で発生する費用が明確になり、予算管理がしやすくなります。複合単価が使用される場合もあり、内訳を理解することで、費用の妥当性を確認できるでしょう。

下記からアドバンの見積書内訳をダウンロードできます。

【サンプル】建築見積ソフト「Kensuke Neo」見積書内訳

 

関連記事:建築見積の複合単価と見積書の作成手段、記載方法について

見積条件書

見積条件書は、工事見積書の根拠となる条件や、前提を明示するための書類です。ここには、工期、施工範囲、設計図書名などの基本情報が記載されています。

 

この情報をもとに見積書が作成されたことを示し、発注者の要望が正確に反映されているかどうか確認します。

 

また、施工計画における具体的な条件や制約、例えば、工事車両の駐車場所や搬入経路、現場の電源確保方法なども詳細に記載されており、リスク管理にも役立つ部分です。

工事費・工事価格の構成

工事費・工事価格とは、各種工事にかかる直接的な費用に、経費が加わった総額のこと。具体的には、建築工事や設備工事、外構工事など実際の工事に必要な費用に、現場全体の運営や管理に必要な経費が加算されて形成されます。

工事費の大部分を占めるのは直接工事費です。実際に建物を建てるための材料費、労務費、機械費など、工事に直接関連するすべての費用を含んでいます。

 

加えて、共通仮設費があります。工事そのものには直接関係しないものの、工事全体を円滑に進めるために必要な費用です。現場事務所の設置や仮設フェンス、仮設の電気・水道設備の設置費用などが含まれるでしょう。

さらに、工事全体を監督し管理するための現場管理費や、一般管理費はなども含まれ、構成を知ることで工事見積書の透明性が高くなるでしょう。

見積内訳書の記載方法・分類

工事費については、主に以下3つに分けられます。

  • 材料費
  • 労務費
  • 経費

順番に見ていきましょう。

材料費

材料費は、建物の建設に必要なあらゆる資材の費用を指します。基礎工事や仕上工事など、個々の工事ごとに必要な資材がこの項目に含まれます。

 

また、資材を現場に運搬するための費用も材料費として加算。材料費は市場の状況により変動しやすいため、定期的に発行される市場価格の情報を基に、価格の妥当性を確認するのが重要でしょう。

労務費

労務費は、工事現場で働く作業員や職人に支払われる給料や手当の費用を指します。基本給のほか、賞与や各種手当、法定福利費も含まれます。

労務費は労働市場の需給バランスに影響を受けやすく、経済情勢や災害、パンデミックなどにより大きく変動する場合があるでしょう。

 

公共工事においては、国土交通省が定める労務単価が基準として使用されますが、民間工事では市場の動向により決定されます。適正な労務費を見積もるには、現在の相場を把握することが不可欠と言えるでしょう。

 

関連記事:建築業界の見積書に含まれる法定福利費とは?確認しておくべき注意点

経費

経費は、材料費や労務費以外の工事に関連する費用を指します。工事に使用する機械の使用料や燃料費、専門工事業者の利益などが含まれます。

 

経費は工事の内容や規模により大きく異なるため、詳細な工事計画をもとに正確に見積もる必要があるでしょう。経費には多くの要素が含まれるため、内容を正確に理解し、適切に見積もるには専門的な知識が求められます。

工事見積書の内訳と主な工種・項目

工事見積書の内訳と、工種・項目は以下の通りです。

  • 仮設工事
  • 躯体工事・土工事
  • 仕上工事
  • 設備工事
  • 外構工事
  • 諸経費

順番に見ていきましょう。

仮設工事

仮設工事は、建設工事を円滑に進めるために必要な、一時的な施設や設備の設置に関する工事です。現場事務所や仮設トイレ、作業員詰所、足場などが含まれるでしょう。

 

仮設工事には共通仮設工事と直接仮設工事があり、共通仮設工事は工事全体を支えるための設備、直接仮設工事は建物自体に直接関連する設備を指します。仮設工事は建設工事期間中に必要となるため、工事終了とともに撤去されるのが一般的です。

躯体工事・土工事

躯体工事は建物の構造体を形成する工事であり、基礎工事や鉄筋工事、コンクリート工事などが含まれます。関連して、土工事も重要で、基礎を支えるための地盤の整備や掘削、埋め戻しなどを行います。

 

躯体工事は建物の骨組みを形成するため、工事全体の安定性を確保する上で不可欠でしょう。土工事や躯体工事の費用は、建設地の条件や建物の規模によって大きく変動します。

仕上工事

仕上工事は、建物の内部や外部を最終的に仕上げる工事のこと。内装工事、外装工事、防水工事などが含まれます。

仕上工事は建物の美観や機能性を高めるために重要であり、材料費や労務費も大きな割合を占めます。

仕上工事の内容には、壁や床の仕上げ、天井の仕上げなどが含まれ、それぞれに専門的な技術が必要です。

設備工事

設備工事は、建物内の電気、ガス、水道、空調などの設備を設置する工事です。電気設備工事、給排水設備工事、空調換気設備工事などが含まれます。

 

設備工事は建物の快適性や安全性に直結するため、非常に重要でしょう。また、建物の用途や規模に応じて、特定の設備が必要になる場合もあり、工事内容に応じて費用が大きく変わるケースもあります。

外構工事

外構工事は、建物の外部空間を整備する工事です。敷地内の道路や駐車場、フェンス、門扉、植栽などの設置が含まれます。

 

外構工事は建物の外観を決定づける要素であり、敷地全体の美観や機能性を高めるために実施。外構工事の費用は、使用する材料やデザイン、施工方法により大きく変動します。

諸経費

諸経費は、工事に直接関わる費用以外の費用を指します。現場管理費と一般管理費に分かれ、現場管理費は現場の運営に必要な費用であり、現場監督の給与や事務用品費などが含まれます。

 

一方、一般管理費は建設会社全体の運営費用で、本社の維持費や社員の給与など。諸経費は工事全体の約12%を占める場合が多く、工事の規模や内容に応じて変動します。

 

関連記事:建築業の見積書にある諸経費とは?具体的な内訳と一般的な費用相場

工事見積書作成のポイントや注意点

工事見積書を作成するときは、正確かつ詳細な情報を提供しなければいけません。見積書が不明瞭、項目が不足していると、後々トラブルの原因となることがあります。

 

ここでは、工事見積書作成時に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

内訳を階層にして分ける

見積書の内訳を階層的に整理することで、工事内容がより理解しやすくなります。例えば、住宅施工の場合、建築工事、電気工事、設備工事といった主要カテゴリーに分け、それぞれの中にさらに細かい項目を設けると見やすいでしょう。

 

見積書を受け取る側が、どの部分にどのような費用がかかっているのか一目で把握でき、信頼性も高まります。視認性の良い内訳書を作成することで、施主とのコミュニケーションが円滑になり、誤解やトラブル防止につながるのです。

工事場所・内容・条件の詳細をしっかり記載する

見積書には、工事の場所や内容、条件を具体的に記載しましょう。施主は見積書に記載されている内容が、自身の要求と一致しているかどうか確認できます

 

不透明な記載はトラブルの元となるため、どのような工事が実施され、どのような条件下で進めるのか明確にするべきです。具体的な記載を心がけ、施主が安心して工事を依頼できるようにしましょう。

国土交通省のひな形を参考にする

見積書の作成に際しては、国土交通省が提供する「公共建築工事見積標準書式」を参考にしても良いでしょう。見積書に必要な項目が網羅されており、これに従って作成することで記載漏れを防げます

 

特に公共工事においては、標準書式に基づいた見積書が求められるため、信頼性の高い見積書を作成するために参考にしましょう。

見積作成日と見積有効期限を記載する

見積書には、見積作成日と見積有効期限を明記します。見積有効期限は、工期や価格が変動する可能性があるため、通常は2〜3週間程度とするのが一般的です。

 

この期間内に施主が決定しない場合、新たな見積書を作成する必要があるのを示すためにも、明確に期限を設定しておきましょう。これにより、価格の変動によるトラブルを避け、双方にとって安心できる契約を進められます

工事見積書作成を効率化する方法

工事見積書の作成には時間と労力がかかりますが、効率的に作業を進めるためのツールや方法を活用することで、負担を軽減できます。

 

ここでは、見積書作成を効率化する具体的な方法についてご紹介します。

見積テンプレートの活用

エクセルで見積書を作成している場合、エクセルテンプレートの活用が効率的です。エクセルテンプレートには、あらかじめ必要な関数が組み込まれているため、エクセルの知識がない方でも簡単に見積書を作成できるでしょう。

 

テンプレートを使用することで、項目の抜け漏れを防ぎ、正確で効率的な見積書作成が可能となります。

見積作成ソフトを使用する

見積書の作成に時間がかかる、または自信がない場合は、見積作成ソフトの使用も検討すると良いでしょう。エクセルでの見積書作成には、データ量が増えると動作が重くなる、集計に時間がかかる、関数やマクロが機能しなくなるなどの課題があります。

 

これらの問題を解決するために、多くの工務店では見積作成ソフトを導入しています。「Kensuke Neo」は、エクセル感覚で簡単に操作できる本格的な見積作成ソフトで、豊富な機能を搭載。見積書作成の効率化が図れるだけでなく、業務全体の効率も大幅に向上させられるでしょう。

 

関連記事:建築業の見積作成に活用できるフリーソフト3選と有料ソフト3選

簡単建築見積ソフトなら「Kensuke Neo」

建築見積りソフトKensuke Neo

建築見積りソフトKensuke Neo」は、小規模なリフォームから大規模な建築工事まで幅広く対応可能。初心者でも簡単に操作できるように設計されています。

見積作成の効率を大幅に向上させるため、JW_CADのデータを即座に取り込み、スピーディに見積を作成できるでしょう。

 

さらに、ネットワーク対応により、社内サーバーを使用して複数の担当者が同時に見積ファイルを編集できるため、作業の負担を分散させ、効率を高められます。

建築見積ソフト「Kensuke Neo」の導入事例

「Kensuke Neo」は、多くの建築会社で積算業務の効率化に貢献しています。ここでは、導入事例の一部を3つ紹介します。

株式会社山上組様の導入事例

株式会社山上組様の導入事例

株式会社山上組では、積算の効率化が大きな課題となっていました。手作業による積算は時間がかかり、担当者が限られている点も問題でした。

 

そこで、PC上で簡単に積算できるシステムの導入を検討し、Kensuke Neoを導入。導入後、操作の習得がスムーズに進み、システムの柔軟性にも感心したとのことです。結果、手作業での積算に比べ5~10倍の効率化が実現し、業務の負担が大幅に軽減されたようです。

株式会社山上組様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

株式会社ナカシロ様の導入事例

株式会社ナカシロ様の導入事例

株式会社ナカシロでは、積算業務を手作業でしており、時間がかかることが問題となっていました。そこで、手作業を省ける積算ソフトの導入を検討し、まずはKensuke Neoの無料試用を実施。

 

2ヶ月の貸出期間に3つの実物件で試用し、ほとんど操作指導を受けなくても操作を覚えられました。試用期間中のスムーズな体験から、本格導入を決定し、効率的な積算が実現したようです。

株式会社ナカシロ様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

石坂建設株式会社様の導入事例

石坂建設株式会社様の導入事例

石坂建設株式会社では、各種積算を手作業でしていたため、時間がかかり他の業務に支障をきたすケースがありました。短時間で積算するために積算システムの導入を検討、20年前からアドバン社の積算・見積システムを使用しているとのことです。

 

従来の手作業に比べ積算効率が5倍向上し、見積提出の余裕ができることで、より詳細に見積内容の吟味が可能となったようです。

石坂建設株式会社様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

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建築見積ソフトを使用して効率的に作成しよう

いかがでしたでしょうか?工事見積書の書き方やその役割についてお分かりいただけたかと思います。見積書の基本構成や必要な項目、費用の内訳についても詳しく解説しました。

 

工事見積書の作成は、ぜひ「建築見積りソフトKensuke Neo」をご活用ください。従来の見積書作成作業を効率化し、管理者の負担を減らせるはずです。ソフトについては、ぜひお気軽にお問い合わせください。