公開日 2024.08.21 更新日 2024.09.13

現場管理費とは?概要や項目とともに現場管理費率も解説

「現場管理費ってなに?」と疑問に思っている方も多いでしょう。本記事では、現場管理費の概要や計算方法、一般管理費との違いなど、現場管理費に関する基本的な情報を解説します。

また、適切な現場管理費率や管理の重要性についても触れ、建築見積ソフト「Kensuke Neo」の活用事例を紹介しています。現場管理費の理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

 

建築見積ソフトKensuke Neo

そもそも現場管理費とは?

現場管理費とは、工事現場を円滑に運営するために必要な、間接的な費用を指します。工事原価の一部として計上され、工事の進行に欠かせない重要な要素です。

現場管理費の概要

現場管理費には、具体的には工事現場における保険料や、現場事務所で使用する事務用品の費用、さらに現場監督などスタッフに支払われる給与が含まれます。これらの費用は工事そのものに直接関わるわけではありませんが、間接的に工事の運営を支える重要な経費です。

正確な計算が求められ、管理が不十分だと工事全体の収益性に悪影響を及ぼすリスクがあります。

一般管理費との違い

一般管理費は、企業全体の運営に関わる広範な費用のこと。工事現場に限定されない経費であり、本社や支社などの運営に必要な人件費や光熱費、通信費などが含まれます。

 

現場管理費と異なり、一般管理費は工事そのものに直接的な関連がなく、会社全体の運営維持に必要な費用です。工事に特化した現場管理費と、企業の運営にかかる一般管理費の違いを理解することが、正確なコスト管理を行ううえで重要でしょう。

現場管理費の計算方法

現場管理費の計算には、主に2つのアプローチがあります。まず1つ目は、現場管理費に含まれる具体的な費用を、17項目ごとに積み上げて合計する方法です。各費用を個別に計上して総額を算出するため、詳細の把握ができます。

 

もう1つの方法は、現場管理費率を使用した計算です。「純工事費」に一定の管理費率を掛け合わせ、その結果に積み上げで算出された追加費用を加算します。

現場管理費の項目

現場管理費は、工事現場の運営に関わる、多岐にわたる経費を包括します。以下の表に、17項目と内容を簡単にまとめました。

項目 

内容 

労務管理費 

給与以外の労働者管理に関する費用(例:作業服、交通費) 

安全訓練に関する費用 

安全管理のための研修や訓練の経費 

従業員の給料手当 

現場作業者や監督者の給与、危険手当など 

保険料 

工事関連の保険(自動車保険、工事保険など)の費用 

退職金 

退職時に支払われる金額、退職給与引当金 

法定福利費 

法定の社会保険料などの費用 

福利厚生費 

企業独自の福利厚生に関する費用(例:社員旅行) 

租税公課 

税金や各種手数料(例:固定資産税、印紙代) 

通信交通費 

通信費や交通費(例:インターネット料金、郵送費) 

事務用品費 

事務用品の購入費用(例:文房具、コピー用紙) 

交際費 

取引先との接待や会議費用 

外注経費 

外部業者に作業を依頼した際の費用 

補償費 

工事による第三者への損害補償に関する経費 

動力用水光熱費 

現場で使用する電気、水道料金 

工事登録に関する費用 

工事実績登録のための費用 

公共事業労務費調査の費用 

公共事業に関連する調査費用 

その他雑費 

上記項目に含まれないその他の現場運営に関する費用 

上記17項目の費用を管理することで、工事全体の正確なコスト管理が可能です。

現場管理費率は何%が妥当?

現場管理費率は、一般的に工事費用の5〜10%が適正とされています。この範囲内であれば、現場運営に必要な経費を十分にカバーしつつ、顧客に納得してもらいやすい価格設定が可能。

しかし、現場管理費を過度に高く設定すると、見積もりが高額になり、他社との競争において不利になるリスクがあるでしょう。また、顧客から現場管理費が高い理由を問われる場合もあり、納得させるのは難しいかもしれません。

 

そのため、適正な範囲内で現場管理費を設定することが重要です。そうすることで顧客との良好な関係を維持し、信頼性の高い業者として地位を確立できます。

現場管理費を適切に管理する重要性

現場管理費の正確な管理は、工事の成功に不可欠な要素です。管理が不十分だと、工事全体の収益性に直接的な影響を与える可能性があります。

企業利益に影響する

現場管理費は工事に直接関わる費用ではありませんが、工事原価に含まれるため、誤差が生じると工事費全体に影響を与えます。

正確な計算でないと入札金額が適切に設定できず、過剰な見積もりで受注が難しくなったり、反対に低く見積もりすぎて赤字を招くことがあるでしょう。

値引き交渉に対応できる

建設業界では、顧客からの値引き要求に対して対応しなければいけません。現場管理費は、工事そのものに直接関連しないため、値引きの対象となりやすい項目です。

日常的に現場管理費を正確に管理し、内訳や必要性を明確に説明できなければいけないのです。

現場管理費を設定する際のポイント

現場管理費の設定は、工事全体の成功と企業の健全な経営に直結する重要な要素です。ここでは、適切な現場管理費を設定するためのポイントについて解説します。

ポイント①工事原価を考慮する

現場管理費は工事原価の一部として計上されるため、正確な設定が求められます。現場管理費が高くなると、結果的に工事の見積金額が上昇し、競争力を失う可能性があります。

一方で、過度なコスト削減は作業員の安全や現場の衛生環境に悪影響を及ぼし、企業の評判や信頼を損ねるリスクがあるでしょう。コスト削減の際は、作業員の安全確保や効率的な業務運営を優先しつつ、無駄な費用を削減するバランスが重要なのです。

関連記事:工事原価とは?概要と工事原価を構成する4つの要素

ポイント②現場管理費を相場以上にしない

現場管理費は業界全体での相場が存在しますが、厳密な規定はありません。そのため、各企業が独自に設定できます。しかし、相場よりも高い現場管理費を設定する際は、明確な根拠や背景を持ち、顧客や取引先に納得してもらえる説明が必要です。理由のない高い設定は信用を損ない、受注機会を逃す原因となるでしょう。

 

また、過度に低い設定も注意が必要。受注を得るために現場管理費を相場以下に設定すると、赤字を招き、企業の利益を圧迫するリスクがあります。

簡単建築見積ソフトなら「Kensuke Neo」

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建築見積りソフトKensuke Neo」は、驚くほど簡単に操作できる建築見積ソフトです。エクセルのような直感的な操作性を備えており、初めての方でもすぐに使いこなせるのが魅力。

また、小規模なリフォームから大規模な鉄骨造やRC造の工事まで、あらゆる規模の建築プロジェクトに対応可能です。さらに、JW_CADのデータから瞬時に積算し、見積作成が迅速できるため、作業効率を大幅に向上させられるでしょう。

高機能でありながら操作が簡単なため、多くのユーザーにとって頼りになるツールです。

 

建築見積ソフト「Kensuke Neo」の導入事例

実際に建築見積ソフト「Kensuke Neo」を導入した企業の事例について、確認してみましょう。今回は3社をピックアップしました。

株式会社山上組様の導入事例

株式会社山上組様の導入事例

奈良県奈良市に拠点を置く株式会社山上組様は、従来の手作業での積算業務に課題を感じていました。時間がかかり、特定の社員に業務が偏ってしまう状況を改善するため、PC上で積算可能なシステムの導入を検討。

「Kensuke Neo」導入後は、積算専任者がいなくても簡単に操作できるうえ、迅速に積算業務ができるようになりました。さらに、システムの柔軟性にも感心しており、アフターサポートの迅速な対応も評価されています

株式会社山上組様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

株式会社ナカシロ様の導入事例

株式会社ナカシロ様の導入事例

愛知県名古屋市に拠点を持つ株式会社ナカシロ様は、手作業での積算が時間を要し、効率化が課題でした。無料試用期間中に複数の実案件で「Kensuke Neo」を試用し、その操作の簡単さを実感。

特別な指導なしでも、社員全員が操作を習得できると確認し、全社的な活用を決定しました。導入後は、建築部員全員が積算作業に携わる体制を目指し、業務の効率化と標準化を進めています。

株式会社ナカシロ様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

石坂建設株式会社様の導入事例

石坂建設株式会社様の導入事例

富山県富山市に本社を構える石坂建設株式会社様では、長年手作業での積算を行っていましたが、その作業には多大な時間と労力がかかっていました。20年前からアドバン社の「Kensuke Neo」を導入した結果、従来の手作業に比べて約5倍の効率向上を実感しています。

これにより、見積作成に余裕ができ、内容を精査する時間を確保できるようになりました。現在では、このソフトがなくては業務が成り立たないほどの重要なツールとして活用されています。

石坂建設株式会社様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

【導入事例をもっと見る】 

 

現場管理費は正しい計算方法で適切に管理しよう

いかがでしたでしょうか?現場管理費についての基礎知識や計算方法、一般管理費との違いについてご理解いただけたかと思います。

適切な管理が行われないと、企業利益の損失や値引き交渉時に不利な立場になる可能性があります。現場管理費の適正な設定と管理を意識しましょう。

 

また、機能が充実しており、EXCEL感覚で簡単に覚えられる本格的な「建築見積りソフトKensuke Neo」もご紹介しました。業務効率を向上させたい方は、この機会にぜひ導入を検討してみてください。

建設業向け管理ソフトなら株式会社アドバン

 

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この記事の監修者
株式会社アドバン
田中 博幸

株式会社アドバン代表取締役社長

「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。 創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
すべてのソフトで無料で使用評価をいただくことが可能であり、ほとんどのお客様に十分納得をいただいたうえで、システムを導入していただいています。