公開日 2024.06.26 更新日 2024.09.13

建築業の見積書におけるnet金額とは?書き方や使用するメリット

建築業の見積書では「net(ネット)金額」と呼ばれるものを見かけることがあります。他の業界でもnet金額やnet価格といった言葉は使われますが、建築業界では特殊な使われ方をする点に注意が必要です。

 

そこで、建築用の見積書におけるnet金額について知りたい方のため、概要や使用するメリット、計算方法などを紹介します。この記事を読むことでnet金額への理解を深めて顧客から聞かれた時もしっかり答えられるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

建築見積ソフトKensuke Neo

建築業におけるnet金額とは

netは「正味」や「実質」という意味を持ちます。
net金額は建築業において「商品・サービスの原価」と「値引き後の最終的な金額」といった2つの意味を持つ言葉です。

 

まず、広い意味で使われているnet金額は「商品・サービスの原価」のことを指します。諸経費のほか、利益や消費税、マージンといったものを含めない原価にあたる部分です。
工事のみの価格と考えるとわかりやすいでしょう。

もう一つの意味である「値引き後の最終的な金額」は、主に建設業界のほか、広告業界で見られる使い方です。
最大限値引きして取引に応じられる最低ラインの金額のことをいいます。

 

この2つを見てわかるように、「net金額」といっても「商品・サービスの原価」と「値引き後の最終的な金額」のどちらで使っているのかによって意味が異なる点に注意しましょう。
双方で異なる認識を持ってしまうと、後からトラブルにつながってしまう可能性があります。

 

関連記事:建築業の見積書にある諸経費とは?具体的な内訳と一般的な費用相場

グロス金額との違い

net金額と似たものに、グロス金額があります。グロスには「総量」「総計」といった意味があり、グロス金額とは、一般的に工事費用に諸経費や外注費、消費税など、各種費用を加えた総額(総工費)のことです。

そのため、建築工事で見積書を作成する際は、グロス価格を提示するケースが多く見られます。
建築業でははじめに提示したグロス金額のままで決まることは少なく、多くのケースでは値引き交渉され、それに応じるのが一般的です。

 

そのため、顧客からは「グロス金額からどこまで値引きしてくれるのか?」といった意味で「最終net金額はいくらか?」と聞かれることもあります。

このように、net金額とグロス金額は異なる意味を持つので、混同して使わないように注意が必要です。

建築業界においてnet金額を使用するメリット

そもそも、何のためにnet金額を使用するのでしょうか。
これは、以下3つのようなメリットがあるからです。

値引き交渉の材料となる

net金額は、顧客側にとって値引き交渉の材料となります。
例えば、net金額を「商品・サービスの原価」として使用する場合、この他に諸経費などが発生することになるので、実際に支払う見積金額がそれより高くても納得してもらいやすいでしょう。

 

または、「値引き後の最終的な金額」との意味でnet金額を記載する場合、顧客側からすれば「交渉次第でここまで値引きしてもらえる」といったラインがわかりやすくなります。業者側からすると「これ以上の値引きには対応できない」とあらかじめ伝えるためにもnet金額が役立ちます。

見積を安く見せることができる

net金額は顧客に対して見積を安く見せるためにも活用可能です。

例えば、建築において欠かせないものに測量があります。設計では10測点の測量が指定されており、1測点単価が20,000円だったとしましょう。本来であれば、費用は20万円です。
しかし、現地状況を確認してみたところ、8測点で済むことがわかったとします。この場合、見積書には見積額が20万円、net金額は予定している8測点分の16万円と記載することで、4万円値引きしたように見せられます。

 

もし、競合他社が設計の指定に沿って20万円の見積もりを出していた場合は、大きなアピールポイントになるでしょう。ただし、仮に9測点、10測点が必要になってしまった場合は損をすることになるので、注意が必要です。

顧客の理解を促進し、信頼関係を築ける

net金額は値引きされた最終価格に該当するものです。あらかじめnet金額を提示しておくと、顧客側も金額を正確に把握できます。
費用についてわからないと不安につながりやすいので、net金額を提示して顧客の理解を促進しましょう。金額が明確になることによって安心感が増し、信頼関係を築くことにもつながります。

 

関連記事:建築見積もりのチェックポイント、料金相場と見積もりをとる手順

net金額の計算方法

実際にnet金額はどのように計算すれば良いのでしょうか。ここでは、2つのケースを紹介します。

商品・サービスの原価

まず、商品・サービスの原価としてnet金額を算出するケースです。原価は「材料費+人件費+間接経費」で計算できます。
間接経費とは、家賃や光熱費、通信費など、商品やサービスを製造・提供するにあたり必要となる経費のことです。

値引き後の最終的な金額

値引き後の最終的な金額としてnet金額を計算する際は「見積金額-値引き額」で算出しましょう。こちらのケースでは、提示したnet金額に近い金額で契約することになります。
誤ったnet金額を算出すると大きな損をしてしまう可能性があるため、注意しなければなりません。

必要になる経費や税金といったものを含めて見積もり金額を出すのを忘れないようにしましょう。

net金額の見積書への記載方法

計算したnet金額は、見積書に記載します。ここでは、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

意味・表記を明確にする

紹介してきたように、建築業で使われるnet金額には「商品・サービスの原価」と「値引き後の最終的な金額」といった2つの意味があります。
このうち、自社ではどちらの意味でnet金額を扱うのか明確にしておきましょう。
「net金額(原価)」「net金額(値引き後)」のように表記しておくとわかりやすいです。

見積金額とnet金額を区別して記載する

見積書にはnet金額のほかに見積金額も記載します。合計金額をわかりやすく大きめに記載したうえでnet金額は別行に記載しましょう。

消費税を記載する

消費税の記載も忘れてはいけません。原価の意味でnet金額を使う場合は消費税が含まれていないことが多いのに対し、値引き後の最終価格の意味で使う場合は消費税が含まれていることが多いです。
消費税額に関してはきちんと記載しておきましょう。

簡単建築見積ソフトなら「Kensuke Neo」

建築見積りソフトKensuke Neo

見積書の作成は手間がかかるものであり、見積の作成が業務を圧迫してしまうこともあります。
できるだけ見積作成を簡単に行いたいと考えている方は、見積ソフトの導入がおすすめです。

建築見積りソフトKensuke Neo」は、エクセル感覚で使いやすい本格的な建築見積作成システムです。操作性に優れていることや機能が充実していることなどを評価いただき、売上高5~100億円規模の地方ゼネコンでは導入実績No.1を誇ります。
規模を問うことなく、さまざまな工事に対応可能です。

 

弊社仕上積算ソフトである「Neo仕上」と連動させることによりJW_CADのデータから即座に積算結果を転送し、積算から見積までの流れをスムーズに行うこともできます。IT導入補助金の対象でもあるので、ぜひご検討ください。

 

建築見積ソフト「Kensuke Neo」の導入事例

多くの企業で導入いただいている建築見積ソフト「Kensuke Neo」を実際に使用している会社の事例を紹介していきます。

株式会社山上組様の導入事例

株式会社山上組様の導入事例

株式会社山上組様では、積算業務を効率よく行えていないことを課題としていました。作業に時間がかかるだけではなく、担当者も限られていたため、PC上で積算を行えるシステムを探して選ばれたのが「Kensuke Neo」です。

 

結果として手作業で行っていた積算よりも5~10倍の効率化につながりました
システムも覚えやすくて操作が簡単であることや、アフターサポートも評価していただいています。

株式会社山上組様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

株式会社ナカシロ様の導入事例

株式会社ナカシロ様の導入事例

株式会社ナカシロ様では、これまで手作業で積算業務を行っていました。
どうしても時間かかってしまう業務であったため、積算ができるソフトを導入しようと選んでいただいたのが「Kensuke Neo」です。

 

はじめに無料の貸出期間で実案件を試しました。操作に関してはほぼ指導を受けることなく覚えられたとのことです。
操作がわかりやすく簡単であることから、現在は建築部員全員が操作できる体制を目指しています。

株式会社ナカシロ様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

石坂建設株式会社様の導入事例

石坂建設株式会社様の導入事例

石坂建設株式会社様が「Kensuke Neo」の導入を決めたのは、短時間での積算につなげるためです。手作業で行っていた各種積算は時間がかかってしまい、その他の業務に支障をきたしてしまうこともありました。

 

Kensuke Neoの導入により手作業と比較して5倍ほど積算効率が上がったとのことです。業務効率の向上により見積提出に余裕を持つことができるようになりました。
これは、内容を吟味した見積の作成にもつながっています。

石坂建設株式会社様の導入事例を詳しく見たい方はこちら

【導入事例をもっと見る】 

 

net金額の詳細をよく確認しておこう

いかがだったでしょうか。建築業界におけるnet金額とは何か、見積書にはどのような書き方で記載すれば良いかなどを紹介しました。計算方法などもご理解いただけだかと思います。
うまく利用すれば見積もりを安く見せることもできるので、活用してみてはいかがでしょうか。

 

建築見積ソフト「建築見積りソフトKensuke Neo」は多くの企業に導入していただいており、操作が簡単、さまざまな工事規模に対応できる、見積書作成が簡単になるといった特徴があります。ぜひご利用ください。

建設業向け管理ソフトなら株式会社アドバン

 

【アドバンが提供するサービス一覧】

この記事の監修者
株式会社アドバン
田中 博幸

株式会社アドバン代表取締役社長

「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。 創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
すべてのソフトで無料で使用評価をいただくことが可能であり、ほとんどのお客様に十分納得をいただいたうえで、システムを導入していただいています。