建築見積もりのチェックポイント、料金相場と見積もりをとる手順
「建築の見積もりってどんな費用で構成されるの?」「各費用の料金を教えて欲しい」などと考えていませんか。まとまった費用がかかるため、理解を深めておきたい方は多いでしょう。
建築の見積は、本体工事費など3つの要素で構成されます。総費用がわかれば、各費用の相場を算出できます。ここでは、建築会社が提出する見積もりのチェックポイントと建築会社から見積もりをとる手順、依頼する建築会社の選び方などを解説しています。見積もりをとる予定がある方は確認しておきましょう。
建築会社の見積もりのチェック内容
建築会社の見積もりは、次の3つで構成されます。
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 諸費用
各費用について解説します。
本体工事費
建物の建築にかかる費用です。注文住宅であれば「家」を建てるためにかかる費用と考えればよいでしょう。本体工事費は、以下の費用などで構成されます。
- 仮設工事費
- 基礎工事費
- 木工事費
- 内外装工事費
- 機器・設備設置費
- 設計料
具体的な金額は、建物の大きさやグレードなどで異なります。一般的には、総費用の70%程度と考えられています。住宅金融支援機構が発表している資料によると、2023年度のフラット35利用者における注文住宅(土地なし)の所要資金は3,863万円です。この金額をもとに考えると、本体工事費の目安は2,704万円程度といえます。
出典:住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」
付帯工事費用
建物の建築以外にかかる工事費用です。注文住宅であれば、外構などにかかる費用と考えればよいでしょう。具体的には、以下の費用などで構成されます。
- 造成工事費
- 外構工事費
- 電設工事費
- インテリア取付工事費
- 地盤調査費
- 解体工事費
付帯工事費の目安は総費用の20%程度です。総費用が3,863万円であれば、付帯工事費の目安は773万円程度といえるでしょう。ただし、実際にかかる金額はケースで異なります。案件により必要な工事は異なるためです。
諸費用
本体工事費、付帯工事費以外にかかる費用です。建物、外構などの工事以外にかかる費用と考えればよいでしょう。具体的には、以下の費用などで構成されます。
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産所得税
- 消費税
- 住宅ローン関連の費用
- 火災保険・地震保険・団体信用生命保険の保険料
- 引越費用
- 仮住まい費用
諸費用の目安は総費用の10%程度です。総費用が3,863万円であれば、諸費用の目安は386万円程度と考えられます。
関連記事:建築業の見積書にある諸経費とは?具体的な内訳と一般的な費用相場
注文住宅の見積もりを取る手順
注文住宅の見積もりをとる基本的な手順は以下のとおりです。
- 予算と間取りを決定する
- ハウスメーカーや工務店を選ぶ
- ハウスメーカーや工務店に見積書を依頼する
- いただいた見積もりの内容を比較して建築会社を決める
各手順について解説します。
手順①予算と間取りを決定する
最初のステップで、おおよその予算を決定します。予算は自身の経済状況をもとに考えることが大切です。一般的に、住宅ローンの返済比率は年収の25~35%程度が目安と考えられています。つまり、年収500万円であれば、125~175万円/年が理想的な返済額です。ただし、実際の理想的な返済額は、ライフスタイルなどで異なります。
次に、新居での生活をイメージして希望の間取りを考えます。「できる・できない」を考えず、この段階では希望の条件を洗い出しておくことが大切です。洗いだした条件に優先順位をつけておくと、専門家との話し合いを進めやすくなります。
手順②ハウスメーカーや工務店を選ぶ
予算と希望の条件をもとに、依頼するハウスメーカー、工務店を探します。それぞれの特徴は異なるため、インターネット検索などを活用して情報をしっかりと集めることが大切です。気になる建築会社が見つかったら、住宅展示場へ訪れたり、実際に話を聞いてみたりするとよいでしょう。このステップで、ハウスメーカーや工務店を3社程度に絞り込みます。
手順③ハウスメーカーや工務店に見積書を依頼する
手順②で絞り込んだ建築会社に、予算と希望の条件を伝えて、見積書の作成を依頼します。ここで作成する見積書は、おおよその建築費用を示すものです。この特徴から概算見積もりと呼ばれています。概算見積もりの目的は、迅速に費用の目安を示すことです。相見積もりをとるときなどに使用されます。したがって、実際にかかる金額を正確に表すものではありません。
手順④いただいた見積もりの内容を比較して建築会社を決める
各社から提出された見積もりを比較して、依頼する建築会社を決定します。金額以外も比較することが大切です。たとえば、他社よりも高い場合はなぜ高いか、安い場合はなぜ安いかを理解すれば、建築会社の強みや弱みを把握できます。見積書だけではわからない実績や口コミなどを確かめておくことも重要です。
手順⑤決定した建築会社に再度見積もり作成を依頼する
依頼する建築会社に本見積もりの作成をお願いします。本見積もりは、建築プラン、使用する建材、設備など、個別の条件を反映した見積もりです。この特徴から詳細見積もりと呼ばれることもあります。契約を締結する場合は、本見積もりの内容が反映されます。したがって、希望どおりの内容になっていること、金額に誤りがないことなどを確かめておくことが重要です。本見積もりの作成には、通常、1カ月程度の時間がかかります。
見積もりを比較して建築会社を決める際の7つのポイント
ここからは、見積もりとる際、見積もりを比較する際に意識したい7つのポイントを解説します。
希望条件をしっかり伝える
見積書は、原則として依頼者の希望をもとに作成します。したがって、依頼前に希望条件を伝えておくことが大切です。主な希望条件として、予算、建物の性能、間取り、収納スペース、内装、外装、設備などがあげられるでしょう。希望条件を伝えることは、見積条件を統一することにもつながります。見積条件を同じにすると、建築会社の特徴がわかりやすくなります。
見積もりの総額が予算内に収まるか検討する
費用の総額が、予算内に収まっていることも確かめましょう。ここでいう費用の総額には、現時点の見積書に記載されていない費用も含みます。一例としてあげられるのが、新調する家具の費用です。概算でよいので、これらの費用も加算して評価します。予算を超える場合は、優先順位の低いものを削るとよいでしょう。たとえば、設備のグレードを落とすなどが考えられます。メリハリをつけて予算を配分することが大切です。
見積書はできる限り詳細なものを求める
相見積もりの時点でとれる見積もりは、おおよその費用を示す概算見積もりです。「おおよそ」の程度は建築会社で異なります。延べ床面積をもとにざっくりと費用を示しているケースもあれば、希望条件をもとに現実的な費用を示しているケースもあります。前者は、費用が変動する可能性が高いうえ、見積もりの評価も難しいため注意が必要です。できる限り詳細な見積もりの作成をお願いしましょう。
見積もりの金額が上がる可能性を聞く
概算見積もりの記載内容は建築会社で異なります。諸費用を含めず作成しているところもあります。また、地盤改良などで追加の費用がかかるケースも少なくありません。したがって、見積金額より高くなる可能性を確かめておくことが重要です。この点を織り込んで見積書を作成している建築会社や、今後かかる可能性がある費用を正確に教えてくれる担当者は信頼性が高いと評価できます。
見積もりの金額が下がる可能性を聞く
想定以上に見積金額が高い場合は、金額が下がる可能性を確認しましょう。設備のグレードを下げる、建物の形を見直す、部屋の数を減らすなどの解決策を提案してくれることがあります。ポイントは、譲れない点を明確にしたうえでコストダウンを図ることです。譲れる点、譲れない点を明確にしておくと相談しやすくなります。予算が合わない場合は、依頼先の見直しや希望条件の見直しが必要になるかもしれません。
見積もりから依頼までの対応を見る
建築会社との付き合いは、注文住宅が完成してからも続きます。見積もり依頼後の対応をもとに、信頼できるか確かめておくことも大切です。チェックしたいポイントとして以下の点があげられます。
- 話を聞く力
- 要望を実現する力
- レスポンスの早さ
依頼者のニーズを正確に把握して、できるだけ早く実現してくれる建築会社は、信頼性が高いといえるでしょう。注文住宅が完成してからも、よい関係を築きやすいと考えられます。
信頼できる工務店だけに絞って相見積もりを取る
相見積もりは、理想的な依頼先を見つける有効な手段です。ただし、注文住宅の場合は、手間がかかります。それぞれの建築会社へ希望する条件を伝えなければならないためです。したがって、依頼先を増やしすぎることはおすすめできません。情報を事前に収集して、建築会社を絞り込んでから見積もりを依頼しましょう。3社程度に絞り込めば、手間を減らしつつ、理想的な建築会社を見つけられます。
工務店から提示された見積もりの費用が高いときの対処法
工務店などから想定より高い見積金額を提示されるケースは少なくありません。ここでいう「高い」には次の意味があります。
- 予算より高い
- 他社の見積金額より高い
予算より高いときは、希望する条件を提示したうえで、コストダウンの方法を建築会社へ相談しましょう。総2階建てにする、バルコニーをなくすなど、解決策を提案してくれるはずです。
他社の見積金額より高い場合は、見積もりの内容を比較します。異なる条件で見積もりをだしていることがあるためです。そのうえで、見積金額に納得できることを確かめます。
簡単建築見積ソフトなら「Kensuke Neo」
建築見積もりの作成でお困りの方は「建築見積りソフトKensuke Neo」を導入してみてはいかがでしょうか。「Kensuke Neo」は、エクセル感覚で操作できる建築見積ソフトです。業務でエクセルを使用している方であれば直感的に操作できます。1つの見積ファイルを複数の担当者で扱える、さまざまな見積もり書式に対応できるなど、豊富な機能を備えている点もポイントです。見積作成業務の効率化を図れます。
建築見積ソフト「Kensuke NEO」の導入事例
続いて「Kensuke Neo」の導入事例を紹介します。
株式会社山上組様の導入事例
積算業務を行えるスタッフが限られていたことに悩んでいた事例です。解決策として、操作が簡単な建築見積ソフト「Kensuke Neo」を導入しました。期待していたとおり、導入後、操作をすぐに習得しています。手作業での積算に比べ、5~10倍程度、業務を効率化できました。
株式会社ナカシロ様の導入事例
積算業務にかかる時間を短縮したいと考えていた事例です。解決策として「Kensuke Neo」の無料試用を導入しました。選定のポイントは、手作業を不要にできることです。実物件で試したところ、特別な指導を受けずに操作できることがわかりました。正式導入後は、建築部に所属するすべてのスタッフが扱える体制を目指しています。
石坂建設株式会社様の導入事例
積算業務に多くの時間を費やしていた事例です。他の業務に支障がでていたため、業務効率化を目指し「Kensuke Neo」を導入しました。この取り組みにより、積算効率が、5倍程度、向上しています。余裕ができた時間を使って、精度の高い見積もりを作成できるようになりました。
建築見積もりは条件を整理してから依頼
ここでは、建築見積もりのチェック内容、料金相場などを解説しました。建築見積もりは、本体工事費、付帯工事費、諸費用で構成されます。予算や希望条件を決定してから依頼することが大切です。見積金額と予算が合わない場合は、コストダウンの方法を建築会社に相談するとよいでしょう。
見積もりの作成でお困りの建築会社には「建築見積りソフトKensuke Neo」がおすすめです。エクセル感覚で操作できるうえ、豊富な機能を搭載しているため、見積作成業務の効率化を目指せます。
【アドバンが提供するサービス一覧】
- 建築見積ソフト「Kensuke Neo」
- 仕上積算ソフト「Neo仕上」
- 工事原価計算ソフト「Neo原価」
- RC躯体積算ソフト「松助くん」
- 作業日報管理ソフト「Neo日報」
- ワークフロー管理ソフト「ネオ ワーク」
株式会社アドバン代表取締役社長
「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。
創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
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