建業法とは?概要と違反した際の罰則について解説
建業法とは何かを知りたい方、または違反時の罰則について興味がある方も多いでしょう。本記事では、建設業法の目的や改正の概要、背景、規制内容について詳しく解説しています。
さらに、違反時の罰則や実際の導入事例も紹介しており、建設業に携わる方にとって重要な情報となっています。ぜひ参考にしてください。
建業法とは
建業法とは「建設業法」の略称であり、建設業に関わる業者や工事に関する規制を定めた法律です。建設業者の健全な育成と建設工事の品質確保を目的としており、建設業者が守るべき規則を明示しています。
例えば、住宅や商業施設の施工契約などにおいて、施工業者(請負人)はこの法律の規定を遵守し、業務を遂行する義務があります。
建設業法の目的
建設業法の目的は主に二つの柱に支えられています。一つは、建設業者の資質を向上させ、信頼性の高い業者を育成すること。業者の財務基盤の強化や経営体制の充実を促す許可制度が含まれます。
二つ目は、建設工事請負契約の適正化を図り、発注者(施主)を保護すること。不合理な契約条件の回避や契約内容の透明性が確保され、工事の品質や安全性が向上します。
【2020年】建設業法の改正
2020年10月1日より施行された改正建設業法は、現代の建設業界が直面する課題に対応するための、大幅な見直しが行われました。この改正の主なポイントは、働き方改革の促進、生産性の向上、そして持続可能な事業環境の確保に焦点を当てたものです。
具体的には、極端に短い工期の禁止や事前情報提供の義務化、下請代金の支払い方法の改善など、多岐にわたる規制強化が含まれています。また、技術者の配置ルールの見直しや、事業承継の円滑化を図る手続きの新設も行われ、業界全体の健全な発展を目指しています。
建設業法が制定された背景
建設業法が制定された1949年当時、日本は第二次世界大戦の終結から数年が経過し、戦後復興の真っ只中にありました。この復興期に建設需要が急増し、多くの建設業者が誕生しましたが、その一方で無計画な乱立や経営難に陥る業者も少なくありませんでした。これにより、請負契約に関するトラブルが頻発し、工事の実施が難しくなるという問題が浮上したのです。
さらに、建設業は国民経済の発展や公共の福祉に密接に関連する重要な産業であり、その影響力は非常に大きなものでした。そこで、建設工事の適正な施工を確保し、建設業界の健全な発展を促すため、建設業法が制定。この法律は、業者の資質向上と契約の適正化を図り、業界全体の秩序を整えることを目的としています。
制定以来、建設業法は高度経済成長期や災害の影響、そして現代の働き方改革など、時代の変化に対応しながら幾度となく改正されています。常に社会のニーズに適応し、業界の発展と国民の安全を守る役割を果たしているのです。
建設業法の3本の柱
建設業法は、建設業の健全な発展と工事の適正な施工を確保するために設けられた法律であり、三つの規制を柱としています。それぞれが建設業界の秩序と安全を維持するための、重要な役割を果たしているのです。
建設業の許可制を定める規制
建設業法では、一定の規模を超える建設工事を請け負う際に、国または都道府県から許可を取得しなければいけません。許可には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」があり、どちらか一方の取得が必要です。
特に特定建設業許可は、元請として多額の工事を下請に発注する場合に求められます。許可が必要な建設工事は以下の29種類に分類され、各業種ごとに許可を得なければなりません。
工事の種類 |
概要 |
土木一式工事 |
橋梁工事やダム工事などの土木工作物の建設 |
建築一式工事 |
住宅やビルなど建築物の新築、増改築 |
大工工事 |
木材加工や取付けを行う工事、型枠工事など |
左官工事 |
モルタルや漆喰を用いた壁塗り工事 |
とび・土木工事 |
足場の組立、くい打ち、コンクリート工事など |
石工事 |
石材の加工や取付けを行う工事 |
屋根工事 |
瓦やスレートで屋根をふく工事 |
電気工事 |
発電設備や電気設備の設置工事 |
管工事 |
給排水やガス管の配管工事 |
タイル・レンガ工事 |
タイルやレンガの取付け工事 |
鋼構造物工事 |
鉄骨や橋梁の組立て工事 |
鉄筋工事 |
鉄筋の加工や組立て工事 |
舗装工事 |
道路の舗装工事 |
しゅんせつ工事 |
河川や港湾の浚渫工事 |
板金工事 |
金属薄板の加工取付け工事 |
ガラス工事 | ガラスの加工取付け工事 |
塗装工事 |
塗料の塗装工事 |
防水工事 |
防水処理を行う工事 |
内装仕上工事 |
室内の仕上げを行う工事 |
機械器具設置工事 |
機械器具の設置工事 |
熱絶縁工事 |
熱絶縁処理を行う工事 |
電気通信工事 |
電気通信設備の設置工事 |
造園工事 |
庭園や公園の整備工事 |
さく井工事 |
さく井設備の設置工事 |
建具工事 |
建具の取付け工事 |
水道施設工事 |
水道や下水道設備の設置工事 |
消防施設工事 |
消防設備の設置工事 |
清掃施設工事 |
し尿やごみ処理施設の設置工事 |
解体工事 |
建築物の解体工事 |
上記が、建設業の許可が必要な建設工事29種類となります。
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建設工事の請負契約に関する規制
建設工事の請負契約には、発注者や下請業者を保護するためのさまざまな規制が設けられています。元請業者は下請業者が法令に違反しないよう指導する義務を負い、公正な契約の締結と内容の書面化が義務付けられています。
特に2020年の改正により、著しく短い工期での契約禁止や、工期に影響する情報の事前提供が求められるようになりました。これにより、契約における透明性と公平性が強化されています。
主任技術者・監理技術者の設置に関する規制
建設現場には、一定の資格を持つ技術者の配置が義務付けられています。通常の工事には主任技術者が必要であり、大規模な工事では監理技術者の設置が求められます。
監理技術者は、特定建設業の許可が必要な工事で特に重要であり、下請業者が適正な工事を行うための指導や監督を実施。この規制により、工事の品質や安全性の確保が図られているのです。
建設業法に違反した場合の罰則
建設業法に違反した場合、法律の規定に基づいて厳しい罰則が科されることがあります。罰則は、業界全体の健全な運営と、公正な取引を確保するために設けられているのです。
ここでは、具体的な罰則について説明します。
営業停止処分
建設業者が建設業法に違反した場合、国土交通大臣や都道府県知事は、当該業者に対して是正を求めるための指示をします。指示に従わない場合や重大な違反が確認された場合、1年以内の営業停止処分が科される場合があるでしょう。
処分は、業者の営業活動を一時的に停止させるものであり、違反行為の是正と再発防止を目的としています。
指示処分
指示処分は、建設業者が法律違反した際に、違反の是正を促すために発せられるものです。国土交通大臣や都道府県知事は、業者に対して具体的な改善策を指示する権限を持っています。
指示には、改善すべき点や守るべき法的基準が含まれ、業者は従う義務があるのです。従わない場合、さらなる厳しい処分が課される可能性があります。
許可の取消処分
建設業法の規定を重大に違反した場合や、営業停止処分に従わなかった場合は、建設業の許可が取り消される場合があります。許可の取消処分は、違反の程度が非常に重い場合や、業者が適切な経営基盤を維持していない場合に適用されます。
また、建設業者が1年以上の期間にわたり営業を休止している場合にも、許可が取り消される場合があるので注意しましょう。処分は業者の業務停止を意味し、再度許可を取得するには新たな審査を受けなければなりません。
刑事罰
建設業法違反の中には、刑事罰が科されるものも存在します。無許可で建設業を運営、特定建設業許可を得ずに下請契約を締結する行為、また営業停止や営業禁止処分に違反する行為などが含まれます。
これらの行為に対しては、法定刑として3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される場合があります。さらに、法人が違反行為した場合は、両罰規定により法人自体にも罰金が科されるのです。
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建業法を把握してルールを順守しよう
いかがでしたでしょうか?建設業法の概要や規制内容、違反時の罰則についておわかりいただけたかと思います。
建設業に携わる方々にとって、法規制の理解は重要なポイントですので、注意深く確認してください。
また、建築見積りソフトをお探しなら「建築見積りソフトKensuke Neo」を検討してみましょう。機能が充実しており、Excel感覚で簡単に操作を覚えられる本格的な見積ソフトです。業務効率を改善したい方は、ぜひ候補に加えてみてください。
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株式会社アドバン代表取締役社長
「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。
創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
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