図面積算ソフトおすすめソフト9選&ソフトの選び方について

建設業における業務効率化を検討している方に向けて、図面積算ソフトを解説します。
建設業の積算を効率的に管理するには、ソフトの導入が欠かせません。
しかし「自社に適したソフトがわからない」「どのソフトがおすすめなのか」と悩む方は多いものです。
そこで今回の記事では、おすすめの図面積算ソフト9選とソフトの選び方についてご紹介していきます。
参考にすることで、導入後に後悔しないソフトの選び方を理解できるでしょう。
図面積算ソフトを導入するメリット
それではまず、図面積算ソフトを導入することのメリットから見ていきましょう。
メリット①作業の効率化
図面積算ソフトを導入すると、従来の方法よりも作業を効率化できます。
積算ソフトでは図面や仕様書から材料の数量を算出したり、費用を計算したりできるためです。
時間のかかる作業を自動化できるため、全体の作業時間を短縮できます。
これまで計算に時間がかかりすぎることが課題であった企業では、ソフト導入によって大きな効果が期待できます。
作業を効率化し、作業にかかる時間を短縮できることは図面積算ソフトを導入するメリットのひとつです。
メリット②人的ミスの削減
人為的ミスを削減できることも大きなメリットです。
ソフトを導入していなければ、人が手入力で計算を行わなければなりません。
しかし図面積算ソフトであれば、設計図や仕様書から数値を抽出し、自動で計算します。
したがって人為的ミスがほとんど生じない環境になるはずです。
計算において人為的ミスが生じると、想定していたとおりの作業にならなかったり、見積金額を小さく提示してしまうことも起こり得ます。
見積金額を過大に提示してしまうと、企業としての信頼を損なう恐れもあります。
ソフト導入によってミスが少なくなれば、作業がスムーズに進むでしょうし、利益を逃すことも避けられるでしょう。
メリット③正確なコスト管理
図面積算ソフトを導入すると、正確なコスト管理がしやすくなることもメリットのひとつです。
ソフト上では現場ごと、項目ごとに利益率を管理できるため、どこでどれくらいのコストが発生しているのかを把握できるようになります。
建設業では、利益を見込んでいたにもかかわらず、実際に着工すると利益が出ないケースもあります。
しかし図面積算ソフトでコストを正確に管理できるようになれば、見積額が正確になり、企業の利益率も向上するはずです。
メリット④データの一括管理
データを一括管理できることも大きなメリットです。
ソフト上にすべてのデータが集積される状態になれば、データの扱いがシンプルになり、管理方法に戸惑うこともありません。
たとえば紙媒体でデータを管理していたとしたら、管理場所が複雑になったり、データの整合性が損なわれる可能性があります。
Excel管理にしたとしても、データの保存場所がわかりにくく、検索のために時間がかかってしまうかもしれません。
その点、図面積算ソフトを使えば、過去のデータでも瞬時に検索・表示させられます。
見積の参考にしたり、似たデータを再活用したりすることもできるため、データを一括管理することによりさらなる業務効率向上を目指せるでしょう。
図面積算ソフトを選ぶ際のポイント
それでは図面積算ソフトを選ぶときは、どのようなポイントに注目すべきでしょうか?
図面積算ソフトにはさまざまな種類があり、搭載機能や使いやすさにも違いがあります。
これから図面積算ソフトを導入したいと考えている方に向けて、選び方の5つのポイントを解説していきます。
ポイント①自社が必要とする機能が含まれているか
図面積算ソフトを選ぶなら、まず自社が必要とする機能が含まれているかどうかをチェックしてください。
企業によって図面積算ソフトに求める機能は変わるはずです。
自社が必要とする機能が搭載されていなければ十分に活用できないため、機能面は必ず確認しましょう。
適したソフトを選ぶときに考えたいのが、自社での利用目的です。
利用目的が明確になっていないと、導入後に業務に必要な機能が搭載されていなかったと気づく可能性もあります。
どのようなシーンで、どのような使い方をするのか事前にシミュレーションしてみてください。
必要とされる機能が明確になるでしょう。
図面積算ソフトは業務内で効果的に役立ってこそ、導入した価値があるものです。
機能面をチェックして、自社内で便利に活用できるソフトであるかどうかを確認したうえで導入しましょう。
ポイント②操作はしやすいか
操作しやすいソフトであることもポイントのひとつです。
ITに慣れていない方でも、すぐに操作方法を覚えられるソフトが理想と言えるでしょう。
操作性を確認するときは、次の2点を意識することが重要です。
【意識すべきポイント】
- 直感的に操作しやすいこと
- 視覚的にわかりやすいつくりであること
操作のしやすさは操作方法とユーザーインターフェースの両方が揃っていてこそです。
見た目に難しくなく、単純でわかりやすい構造である方が望ましいでしょう。
そして初めて操作する方であっても、直感的に「こう操作すべき」とわかるぐらいの画面であることが理想的です。
操作性の良し悪しは、ソフトを日々スムーズに活用していけるかどうかに関わります。
せっかく業務効率向上のために図面積算ソフトを導入しても、利用しづらく、時間がかかってしまっては意味がありません。
操作しやすいソフトを選ぶことは重要なポイントです。
ポイント③サポートは充実しているか
図面積算ソフトを選ぶときは、サポート体制の充実度を確認したうえで導入することが重要です。
サポート体制が徹底されていれば、操作方法がわからなかったり、不具合が生じたりした場合でもすぐに対応してもらえるはずです。
コールセンターが用意されていたり、気軽に質問できる掲示板やチャットが用意されているとなお良いでしょう。
多くのソフトは初心者でも簡単に操作できるよう設計されています。
しかしやはり、専門的な知識がなければ入力が難しいこともあるかもしれません。
図面積算ソフトを有効活用するためにも、サポートが充実しているかどうかを確認したうえで導入してください。
ポイント④コストは適切か
図面積算ソフトを導入するなら、コスト面が適切かどうかも重要な要素となります。
ソフトの中には無料で利用できるものも少なくありません。
しかし無料の方が良いわけではなく、重要なのは「コストパフォーマンスの高さ」です。
無料でも操作がしにくかったり、必要な機能が揃っていなかったりすれば使い勝手が良くないと感じてしまうでしょう。
多少コストが高くても、業務効率化に大きく貢献する使いやすいソフトの方が実用性は高いといえます。
コストを考える際には、予算内に収まるかどうかを検討することも大切でしょう。
しかし最も重要なポイントである「金額に対してサービス内容が妥当、あるいはそれ以上の価値があるか」を基準に判断することが重要です。
コストパフォーマンスの高いソフトを選ぶことによって、導入後の満足度が大きくなります。
ポイント⑤地域性に対応しているか
図面積算ソフトを選ぶときの最後のポイントは、地域性に対応しているかどうかです。
建設業では地域ごとの建材・工法に適応する必要があるでしょう。
また公共事業から仕事を請け負うのであれば、発注機関のフォーマットや基準に対応している必要もあります。
そのため「地域性に対応しているかどうか」は、ソフトを選ぶ際のチェック項目のひとつです。
地域性に対応したソフトであれば、コストの計算がより正確になります。
見積もり作成も効率的に行えるでしょう。
導入する際は、地域性に対応したソフトを選ぶことをおすすめします。
建設業向けおすすめの図面積算ソフト
図面積算ソフトのメリットや選び方のポイントについて解説してきました。
ここからは、建設業向けにおすすめの図面積算ソフト9選を紹介します。
環境 | 価格 | |
Neo仕上げ/松助くん | CPU Pentium300MHz以上、メモリー512MB以上(1GB以上推奨) | 導入するツールや機能により異なる |
ヒロイくんⅢ | 要問合せ | Microsoft WindowsXP/Vista/7/8/10/11 |
Tetra21 | OS:Microsoft Windows10 / Windows11 サーバー:Microsoft Windows Server 2016 / Windows Server 2019 / Windows Server 2022 | 要問合せ |
せきさん係長 | 要問合せ | 要問合せ |
楽王3(アークシステム) | 要問合せ | 要問合せ |
ざっくり建築費見積りくん | 要問合せ | 1,200円 |
EXCEL建築積算用紙 | Windows7/Vista/XP/Me/2000/NT | 無料 |
積算助っ人 | Windows 8/7/Vista/XP | 無料 |
KENSEKI | Windows 98/95 | 無料 |
いずれも使い勝手が良くコストパフォーマンスに優れたソフトですので、それぞれの特徴を把握したうえで自社に適したものを選んでください。
①Neo仕上げ/松助くん
アドバンから提供している図面積算ソフトが「Neo仕上」と「松助くん」です。
「Neo仕上」は仕上積算ソフトであり、図面から精度の高い積算を行います。
「松助くん」は「Neo仕上」と連携でき、Excelのような操作感で見積作成を大幅に効率化します。
伏図入力では手作業に比べて、10倍以上積算が可能であり、これまで積算作業に多くの時間を費やしてきた企業におすすめです。
JW-CADデータにも対応しますし、Rが含まれたりラーメン構造であったりするような複雑な形状でも取り込めます。
さらにNeo仕上げだけでなく、見積もり作成ソフトの「Kenhsuke Neo」とも連携が可能で使い方の幅が広がるでしょう。
IT導入補助金制度にも対応しており、低コストでの導入を目指すケースにも適しています。
複雑な事務作業を自動化したい場合は、セットで導入することで効果を発揮します。
その他のシステムとも連携させれば、自社に適したシステムが構築できるかもしれません。
②ヒロイくんⅢ
「ヒロイくんⅢ」はクリニックするだけで図面を拾い出せることが魅力の図面積算ソフトです。
CADやPDFなどを読み込ませて、図面データをクリックするだけで積算ができるため、どなたでも使いやすいでしょう。
また拾った形跡を色別に設定できるため、拾い漏れや二重拾いを防げ、ミスを軽減できるところも特徴のひとつです。
同社の「楽王」と連携させれば、内訳書も自動的に作成できます。
図面積算から見積作成までの工程を自動化させたいと考えているなら、ヒロイくんⅢをぜひ一度お試しください。
③Tetra21
建設業向けに開発された建築・設備・見積・積算のためのシステムが「Tetra21」 です。
ユーザーインターフェースを重視しており、直感的に操作でき、自社に合わせたカスタマイズにも対応しています。
サーバー型であるため初期費用が少々かかるかもしれませんが、少ないメモリーで稼働するように工夫されているため使い勝手は良いと考えられます。
もともとは見積業務に特化したシステムであり、見積業務の内容にあわせたフィッティングが可能です。
見積積算を得意とするソフトを導入したいとのニーズに適しています。
④せきさん係長
積算と見積の作成にかかる手間を、約90%削減できると謳っているのが「せきさん係長」です。
プランを入力するだけで大工手間や解体費、処分費なども含めた詳細な積算結果を自動で算出できます。
積算フローはプランの入力と工事条件の設定のみです。
2つの条件を入力するだけで、短時間で見積書を作成できます。
新築工事はもちろん、リフォームやリノベーションの積算にも対応しているため、対応できる業務の幅が広く使い勝手の良さを感じられるでしょう。
⑤楽王3(アークシステム)
カスタマイズ性が高く、業務効率を向上させる効果が高いとされているのが楽王3です。
きめ細やかなカスタマイズが魅力であり、業務フローに適した図面積算ソフトを導入したいと思われている方におすすめします。
またサポート体制が充実していることも特徴のひとつ。
導入すると専用のフリーダイヤル回線で操作に関するサポートもしてもらえます。
カスタマーセンターではリモートサポートにも対応しており、端末を直接操作してもらえるサービスも、操作方法に困った際にも安心です。
オートコンプリート機能や画面アレンジ機能も備わっていて、使い勝手の良さを感じられるでしょう。
⑥ざっくり建築費見積りくん
精度の高い見積を行えることで定評があるのが「ざっくり建築費見積りくん」です。
概算見積が得意であり、実際の金額に含まれるデータから詳細な見積結果を算出します。
価格が抑えられていること、トライアルがあることから、図面積算ソフト選びに迷っている方にとって試しやすいはずです。
誤差を最小限に抑える機能も搭載されており、精度を重視する場合に適しています。
⑦EXCEL建築積算用紙
「EXCEL建築積算用紙」はExcelを利用して図面積算ができるソフトです。
無料で利用できるフリーソフトとして提供されているので、まず図面積算ソフトを導入してみたいと思われているならぜひ試してみてください。
Excelファイルをダウンロードするだけなので、Excelが導入されている環境であればすぐに使い始められます。
使い方を知っている方も多いExcel。
初めて図面積算ソフトを導入する際に、気軽に試したい方に適しています。
⑧積算助っ人
「積算助っ人」はワープロ感覚で建築業における積算業務をサポートするソフトです。
基本的には手入力で計算式を入力していきますが、材料データから登録したり材料データをインポートしたりも可能。
最大のメリットは無料で利用できる点です。
多少機能性が低くても、低コストで図面積算ソフトを導入したいとの用途に適しています。
ただし多種多様なデータの出力ができるメリットもあります。
グループ別・材料別・クロス集計表などの形式で出力できるため、通常の業務で困ることはないはずです。
手入力でも良いと考えているなら、無料ですし試してみても良いのではないでしょうか。
⑨KENSEKI
内装工事に特化した建設業向け図面積算ソフトであるのが「KENSEKI」です。
床・腰壁・壁・天井・巾木・回縁の数量の算出に特化していることが特徴。
木造住宅の建築で活用すると便利です。
仕上げ材の種類は60種類まで登録可能。
一般住宅はもちろん、大規模建築の積算にも活用できます。
おすすめの図面積算ソフトから自社に合うものを選んで
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、図面積算ソフトについてご理解いただけたと思います。
図面積算ソフトは製品により機能性に違いがあり、それぞれの特徴や選び方を踏まえたうえで自社に合うものを選ばなければなりません。
アドバンでは「Neo仕上げ」「松助くん」と、図面積算に関連する2つのソフトを提供しています。
連携させることにより、多機能で使い勝手の良い図面積算ソフトとなりますので、業務効率を重視したシステムをご希望でしたらお気軽にお問い合わせください。

株式会社アドバン代表取締役社長
「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。
創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
すべてのソフトで無料で使用評価をいただくことが可能であり、ほとんどのお客様に十分納得をいただいたうえで、システムを導入していただいています。