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公開日 2026.08.24 更新日 2026.08.25

RPAとOCRの違いとは?組み合わせで実現する業務効率化について解説

RPAとOCRは、紙やPDFから文字情報を取り出し、その後の入力や転記を自動化することで、定型業務の効率化を支える技術です。
RPAはパソコン上の操作を実行し、OCRは画像内の文字をデータ化します。
認識精度や例外処理、導入費用、保守体制を確認せずに導入すると、かえって確認作業が増えるかもしれません。

本記事では、両者の違い、組み合わせるメリット、自動化できる業務例、導入時の注意点まで分かりやすく解説していきます。

RPAとOCRの基礎知識

RPAとOCRは、紙書類を含む定型業務を効率化する際に活用される技術です。
RPAはパソコン上の操作を自動化し、OCRは画像やPDFから文字情報を抽出します。

ここでは、それぞれの仕組みを順に解説していきます。

RPAとは?業務自動化ツールの仕組み

RPAは、パソコン上で繰り返す定型作業を、あらかじめ設定した手順に沿って自動実行する仕組みです。
特に、データ入力、ファイル移動、メール送信、複数システム間の転記などに活用できます。
人が画面を操作する手順を再現するため、既存システムを大きく改修せず導入できる場合があります。

ただし、画面構成や処理ルールが変わると停止する可能性があるため、保守やエラー監視を含めた運用体制が必要です。

OCRとは?光学的文字認識技術の概要

OCRは、紙書類をスキャンした画像やPDFに含まれる文字を認識し、検索や編集に使えるテキストデータへ変換する技術です。
請求書、領収書、名刺、申込書などの情報を抽出し、手入力の補助に活用できます。

ただし、文字のかすれ、画像の傾き、印影、複雑な表、手書き文字などによって誤認識が発生します。
そのため、導入時は対象書類で精度を検証し、金額や氏名など重要項目を原本と照合する工程を設けましょう。

RPAとOCRの違いをわかりやすく比較

RPAとOCRは、どちらも業務効率化に役立ちますが、担う役割は異なるものです。
RPAはデジタル上の操作を自動化し、OCRは紙や画像の文字をデータ化します。

ここでは、機能と得意な業務範囲の違いを比較し、使い分けのポイントを解説していきます。

役割・機能面での違い

RPAは、クリック、入力、ファイル操作、システム間の転記など、パソコン上の決められた操作を自動化します。
一方、OCRは画像やPDF内の文字を読み取り、テキストや表データへ変換する技術です。

つまり、RPAは処理を進める役割、OCRは処理に必要な文字情報を取り出す役割を担います。
両者は代替関係ではなく、OCRで抽出したデータをRPAが別システムへ登録するなど、連携させることで紙書類を含む業務を効率化できます。

得意な業務範囲の違い

RPAが得意とするのは、手順や判断条件が明確で、同じ操作を繰り返す業務です。
データ転記、定型メールの送信、帳票作成、ファイル整理などに向いています。
一方で、OCRは紙の請求書やFAX、画像PDFなどから文字情報を取り出す工程に適しています。

ただし、RPAは例外処理が多い業務、OCRは低画質や難読文字の処理が苦手です。
自動化する際は、OCRで入力情報を作り、RPAで後続処理を進めるように役割を分けると運用しやすくなります。

RPAとOCRを組み合わせるメリット

RPAとOCRを連携すると、紙やPDFからの文字抽出と、システムへの登録や通知を一連の流れとして自動化できます。
手入力を減らせる一方、精度確認や例外処理は必要です。

ここでは、工数、精度、コスト、業務フローの4つの観点から主なメリットを解説していきます。

手作業の工数削減による業務効率化

OCRで帳票の文字をデータ化し、RPAでシステム登録やファイル保存を行えば、人が繰り返していた入力作業を減らせます。
特に、毎月大量に届く請求書や注文書など、項目や処理手順が一定の業務で効果を得やすいでしょう。

ただし、読取設定、確認、例外処理、ロボットの保守にも工数がかかります。
導入前後の処理時間を測定し、自動化対象を限定して小さく始めることで、実際の削減効果を確認しやすくなります。

入力ミスや確認作業の削減で精度向上

OCRとRPAを連携すると、人が同じ内容を何度も転記する工程を減らせるため、入力漏れや転記ミスの抑制が期待できます。
また、金額の合計、必須項目の有無、マスターデータとの一致などを自動で確認する仕組みも構築できます。

ただし、OCR自体の誤認識がなくなるわけではありません。
読み取り信頼度の低い項目や重要項目だけを人が確認し、異常値をRPAで検知するなど、自動処理と確認作業を適切に組み合わせることが重要です。

人件費・運用コストを削減できる場合がある

RPAとOCRの導入により、作業時間を減らせれば、人件費や運用コストの削減が期待できます。
一方、ライセンス料、初期設定、システム連携、保守、担当者教育などの費用も発生します。

また、処理件数が少ない業務や例外が多い業務では、導入費用が削減額を上回る可能性もあるでしょう。
そのため、現在の作業時間と年間費用を整理し、導入後の確認工数まで含めた総コストで効果を判断してください。

紙業務からデジタル業務への一貫自動化

OCRで紙や画像の内容を読み取り、RPAで登録、照合、通知、保存まで処理すれば、紙から始まる業務を連続してデジタル化できます。
具体的に、請求書の受領から会計システムへの登録、注文書の読取から受注処理などが代表例です。

ただし、完全な無人化が常に実現するわけではありません。
書類の欠落、誤認識、マスター不一致などの例外を検知し、人へ確認を依頼する仕組みを設けることで、安定した運用につながります。

RPA×OCRの連携で自動化できる業務例

RPAとOCRは、経理、受注、契約管理、営業、勤怠、物流など、紙やPDFの入力が残る業務へ活用することが可能です。
ただし、自動化のしやすさは書式や例外の多さによって異なります。

ここでは、代表的な8つの業務例と導入時に確認したいポイントを解説していきます。

請求書・領収書など経理処理の自動化

請求書や領収書をOCRで読み取り、取引先名、日付、金額、税額などを抽出した後、RPAで会計システムへ登録する流れを構築できます。
また、支払期日の確認、ファイル名の付与、担当者への通知まで自動化できる場合もあります。

ただし、勘定科目や承認の判断まで自動化できるかは業務ルールによって異なるものです。
重複請求や金額不一致、読取エラーを検知し、担当者が確認できる仕組みを設けることが重要です。

FAX・手書き注文書の受注業務

FAXや手書き注文書をAI-OCRで読み取り、商品名、数量、納期、取引先情報などをデータ化し、RPAで受注システムへ登録する方法があります。
これにより、転記作業を減らし、受付から登録までの時間短縮が期待できます。

ただし、手書き文字や自由記述は誤認識しやすく、RPAが内容の正しさを判断できるとは限りません。
商品コードとの照合、必須項目の確認、低信頼度データの差し戻しなどを組み合わせ、安全に処理する設計が必要です。

契約書・申込書の登録とデータ化

契約書や申込書をOCRで読み取り、氏名、住所、契約日、申込内容などを抽出し、RPAで顧客管理システムへ登録できます。
くわえて、ファイル名の自動付与や所定フォルダへの保存も可能です。

ただし、契約条件の解釈や本人確認など、人の判断が必要な工程は残ります。
重要項目の誤認識は後工程へ影響するため、原本との照合や承認を必須にしましょう。
対象書類を限定し、認識精度と例外率を確認してから範囲を広げることが大切です。

名刺情報の入力とDM送付の自動化

名刺をOCRで読み取り、氏名、会社名、部署、メールアドレスなどを顧客管理システムへ登録し、RPAで案内メールの作成や配信リストへの追加を行えます。
ただし、名刺のデザインや文字の重なりによって誤認識が生じる場合があります。

また、DMや広告宣伝メールを送る場合は、個人情報の利用目的に加え、特定電子メール法のオプトイン規制、表示義務、受信拒否への対応の確認が欠かせません。
登録前に重複や表記揺れを確認し、誤送信を防ぐ承認工程を設けることで、安全に営業活動へ活用できます。

アンケート・エントリーシートの集計

紙やPDFのアンケート、エントリーシートをOCRで読み取り、RPAで表計算ソフトや管理システムへ登録することで、集計作業を効率化できます。
また、選択式の回答は比較的処理しやすく、定型集計やグラフ作成まで自動化できる場合があります。

一方、自由記述や手書き文字は誤認識が発生しやすいため、内容確認が必要です。
設問ごとの入力形式を統一し、判読不能や未回答の扱いを決めておくと、集計結果の品質を保ちやすくなります。

勤怠情報や日報の登録作業

紙の勤怠表や日報をOCRで読み取り、出退勤時刻、作業時間、報告内容などをRPAで勤怠管理や日報システムへ登録できます。
そのため、毎日の転記作業を減らし、締め処理を早められる可能性があります。

ただし、手書きの数字、訂正、空欄は誤認識が起こりやすく、労働時間に関わるデータは慎重な確認が必要です。
異常な時刻や合計時間を自動検知し、本人または管理者が確認する運用を設けることが重要です。

納品書と販売管理データの照合

納品書をOCRで読み取り、納品日、商品コード、数量などを抽出し、RPAで販売管理システムの受注データと照合できます。
また、差異がなければ処理を進め、不一致があれば担当者へ通知する流れも構築可能です。

ただし、商品名の略称やコードの欠落、複数行にまたがる記載は誤認識の原因の1つです。
照合条件や許容範囲を明確にし、元データとの突合結果を記録することで、確認漏れや誤処理を防ぎやすくなります。

物流業務における帳票処理

物流業務では、送り状、納品書、入出庫伝票などをOCRで読み取り、RPAで在庫管理や配送管理システムへ登録できます。
さらに、帳票の仕分けやデータ照合、担当者への通知まで連携すれば、入力作業の負担を軽減できるでしょう。

ただし、現場では汚れや折れのある帳票、複写式伝票、手書き追記も多く、読取精度が安定しない場合があります。
実際の帳票で検証し、例外処理と原本確認の手順を整えることが必要です。

RPAとOCR導入時に押さえるべき注意点

RPAとOCRは、導入するだけで必ず業務が効率化するわけではありません。
読み取り精度、業務フロー、費用、保守体制を事前に確認しないと、確認作業や運用負担が増える可能性があります。

ここでは、導入前に押さえたい3つの注意点を解説していきます。

読み取り結果のダブルチェック体制

OCRは、かすれ、傾き、手書き文字、印影などによって誤認識が発生します。
そのため、すべてを人が二重確認するのではなく、金額、氏名、口座番号など重要な項目や、認識信頼度の低いデータを重点的に確認する体制が有効です。

また、マスターデータとの照合や桁数チェックをRPAで行い、異常値だけを担当者へ回す方法もあります。
確認者、承認基準、修正履歴の残し方を決め、精度と工数のバランスを取ることが重要です。

業務フローの棚卸しと再設計

既存業務をそのままRPAで再現すると、不要な入力や承認まで自動化し、根本的な改善につながらない場合があります。
まず、担当者、作業内容、使用帳票、処理時間、例外を整理し、廃止できる工程と自動化する工程を分けましょう。

そのうえで、OCRで読み取る項目、人が判断する内容、RPAが処理する範囲を明確にします。
小規模な業務で試行し、現場の意見を反映しながら再設計することで、安定した運用につながります。

導入コストと運用負荷の事前試算

RPAとOCRの導入費用には、ライセンス、初期設定、帳票作成、システム連携、教育などが含まれます。
また、運用開始後も、認識精度の調整、シナリオ修正、エラー対応、確認作業が必要です。
そのため、費用だけでなく、担当者の作業時間も含めて試算しましょう。

現在の処理件数、入力時間、ミスの修正時間を測定し、導入後の想定工数と比較すると判断しやすくなります。
複数ベンダーの見積もりを、同じ条件で比較することも大切です。

まとめ:RPAとOCRの違いと業務効率化のポイント

RPAはパソコン上の定型操作を自動化し、OCRは紙やPDFに含まれる文字をデータ化する技術です。
両者を組み合わせれば、帳票の読み取りからシステム登録、照合、通知までを連続して処理し、入力や転記の負担を減らせます。
ただし、OCRの誤認識やRPAの停止がなくなるわけではありません。
導入前に対象業務を棚卸しし、自動化する工程、人が確認する項目、例外発生時の対応を明確にしましょう。

また、実際の帳票で認識精度と修正時間を検証し、ライセンス料や保守工数を含めて費用対効果を比較することも大切です。
小規模な業務から試し、運用結果を確認しながら対象範囲を広げることで、安定した業務効率化につながります。

RPAとOCRを活用しても、PDF見積書の転記作業が残る場合があります。
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この記事の監修者
株式会社アドバン
田中 博幸

株式会社アドバン代表取締役社長

「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。 創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
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