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公開日 2026.08.24 更新日 2026.08.25

書類の電子化とは?メリット・方法・手順を解説

書類の電子化は、契約書や請求書などの紙資料をデジタルデータへ変換し、検索・共有・保存をしやすくする取り組みです。
ペーパーレス化やテレワーク、DX推進に役立つ一方、電子帳簿保存法をはじめとする法令要件、原本の取扱い、セキュリティ対策にも注意が必要です。

本記事では、書類を電子化する方法や手順、メリット・デメリットまで分かりやすく解説していきます。

書類を電子化する6つのメリット

書類を電子化すると、保管や検索、共有にかかる負担を減らしやすくなります。
また、適切な権限管理やバックアップを行えば、情報管理や事業継続にも役立つでしょう。

ここでは、コスト、検索性、生産性、保管スペース、セキュリティ、BCPの6つの観点から主なメリットを解説していきます。

保管コストと印刷コストの削減

紙書類を減らすと、キャビネットや倉庫などの保管スペースにかかる費用を抑えられる場合があります。
社内配布や回覧を電子化すれば、用紙代、インク代、郵送費の削減にもつながるでしょう。

ただし、電子化にはスキャナー、クラウド、文書管理システム、バックアップなどの費用が発生します。
書類量が少ない場合は、導入費用の方が大きくなる可能性もあります。
そのため、紙と電子の年間総コストを比較し、削減効果を確認してから進めることが大切です。

検索性が高まり必要書類を探しやすくなる

電子化した書類へ適切なファイル名や管理項目を付けると、日付、取引先名、文書種別などから探しやすくなります。
OCRで本文をテキスト化すれば、書類内の語句を検索できる場合もあります。

ただし、画像として保存しただけでは本文検索ができず、命名規則やフォルダ構成が不統一だと必要な書類を見つけにくいままです。
なお、保存先、ファイル名、分類項目を統一し、誤認識や登録漏れを確認する運用を整えることで、検索性を高められます。

業務効率化と生産性の向上

書類を電子化すると、回覧、確認、承認、共有をオンラインで進めやすくなり、紙を受け渡す時間や移動の負担を減らせます。
複数の担当者が必要な情報へアクセスできれば、担当者不在時の業務停滞も抑えやすいでしょう。

ただし、紙の手順をそのまま電子化すると、入力や承認が重複して負担が増える場合があります。
なお、電子化する工程、自動化できる作業、人が確認する項目を整理し、業務フロー全体を見直すことが生産性向上につながります。

オフィスの保管スペース削減

紙書類を電子化し、法令や契約上の要件を満たしたうえで原本を減らせれば、キャビネットや書庫の使用量を抑えられます。
空いた場所を執務席、会議スペース、備品置き場などへ活用できる場合もあるでしょう。

ただし、すべての紙書類を廃棄できるわけではなく、電子化後も原本保存が必要な文書があります。
そのため、保管期限を過ぎた書類の廃棄も含め、文書分類と保存ルールを整えてから進めることが重要です。

紛失・改ざん防止によるセキュリティ強化

電子文書は、アクセス権限、操作履歴、バックアップ、暗号化などを適切に設定することで、紙書類の持ち出しや紛失、無断閲覧のリスクを抑えられます。
訂正・削除履歴が残るシステムやタイムスタンプを利用すれば、改変の有無を確認しやすくなるでしょう。

一方、設定ミス、不正アクセス、誤送信による漏えいも起こり得ます。
このように、電子化するだけで安全になるわけではないため、最小権限の設定、定期的な監査、従業員教育を組み合わせることが必要です。

BCP対策・災害時のデータ保全

電子化した書類を複数の場所へバックアップすると、火災、水害、地震などで紙の原本や社内機器が被害を受けた際にも、情報を復旧しやすくなります。
クラウドや遠隔地の保管環境を活用すれば、災害時の業務再開にも役立つでしょう。

ただし、同じ建物や同じ機器だけに保存していては、十分なBCP対策になりません。
そのため、バックアップの頻度、保存先、復旧手順、責任者を定め、定期的に復元テストを行うことが重要です。

書類を電子化するデメリットと注意点

書類の電子化には、導入費用、運用ルールの変更、システム障害や情報漏えいなどの課題があります。
準備が不十分なまま進めると、紙と電子の二重管理や現場の混乱につながるかもしれません。

ここでは、導入前に確認したい主なデメリットと対策を解説していきます。

導入コストとシステム選定の負担

電子化には、スキャナーや複合機、文書管理システム、クラウド利用料、初期設定、データ移行などの費用がかかります。
さらに、製品ごとに検索機能、法令対応、連携方法、料金体系が異なるため、比較にも時間が必要です。

なお、長期的に紙の費用を減らせる場合がありますが、必ず投資を回収できるとは限りません。
対象書類の量、利用人数、必要な保存期間を整理し、初期費用と運用費用、社内工数を含めた総額で比較してください。

社内ルール・運用フローの再整備が必要

紙書類を電子化すると、保存場所、ファイル名、承認手順、アクセス権限、原本の取扱いなどを新たに定める必要があります。
そのため、ルールが曖昧なままでは、同じ書類が複数の場所へ保存されたり、必要なデータが見つからなかったりするでしょう。

電子化前に現行業務を整理し、担当者、保存期限、変更・削除の方法、バックアップ手順を文書化してください。
また、現場で無理なく運用できるか試行し、開始後も定期的に見直すことが大切です。

システム障害・情報漏えいのリスク

電子化した書類は、機器故障、通信障害、ランサムウェア、不正アクセス、誤送信などによって閲覧できなくなったり、外部へ流出したりする可能性があります。
したがって、クラウドを利用する場合も、提供事業者へ任せるだけでは十分とは限りません。

多要素認証、アクセス権限、暗号化、端末管理、バックアップを組み合わせましょう。
さらに、障害時の連絡先や代替手段、事故発生時の報告手順を決め、定期的な訓練と見直しを行うことが必要です。

書類を電子化する具体的な方法

書類を電子化する方法には、スキャン保存、OCRによる文字抽出、クラウド管理、外部委託、最初から電子データで作成する方法があります。
書類量や利用目的、必要な検索性によって適した方法は異なるのが一般的です。

ここでは、代表的な5つの方法と利用時の注意点を解説していきます。

複合機・スキャナーでスキャンして保存する

複合機やスキャナーを使う方法では、紙書類をPDFや画像として取り込み、パソコンやクラウドへ保存します。
既存設備を利用できれば始めやすく、少量の書類から段階的に電子化することが可能です。

ただし、画像のままでは本文検索や編集ができない場合があります。
そのため、解像度、カラー設定、両面読取、ファイル形式を文書に合わせて設定し、保存後にページ抜けや傾きを確認しましょう。
ファイル名と保存先も統一し、原本の返却・廃棄ルールまで決めておくことが大切です。

OCRでテキストデータ化する

OCRは、スキャン画像やPDFに含まれる文字を認識し、検索や編集に利用できるテキストへ変換する技術です。
請求書や契約書の本文検索、項目抽出、システム入力の補助に活用できます。
ただし、手書き文字、かすれ、印影、複雑な表では誤認識が発生します。

また、すべてのOCRが同じ文字種や出力形式へ対応するわけではありません。
対象書類で精度を検証し、金額や氏名など重要な項目は原本と照合する運用を設けてください。

クラウドサービスを活用する

クラウドサービスを使うと、インターネット経由で書類を保存・共有し、複数拠点やテレワーク環境から利用可能です。
アクセス権限、検索、版管理、バックアップなどの機能を備えたサービスもあります。

ただし、機能や安全性は事業者と契約プランによって異なります。
保存場所、通信の暗号化、認証方法、障害時の対応、データ返却・削除の条件を確認しましょう。
また、利用者ごとに必要最小限の権限を設定し、共有リンクの扱いも統一してください。

スキャン代行など外部委託を利用する

大量の紙書類を短期間で電子化する場合は、スキャン代行や入力代行へ委託する方法があります。
社内設備や人員を増やさずに進めやすく、OCR、索引作成、原本整理まで依頼できる事業者も存在します。

ただし、品質、料金、納期、対応範囲は委託先によって異なるものです。
したがって、機密書類を預ける際は秘密保持、作業場所、再委託、輸送方法、アクセス管理、原本とデータの廃棄方法を確認し、サンプル作業で精度を確かめましょう。

最初からデジタル作成するボーンデジタル化

ボーンデジタル化とは、紙で作成した書類を後からスキャンするのではなく、申請書や契約書などを最初から電子データで作成・受領する方法です。
スキャンや再入力を減らし、検索、共有、システム連携を行いやすくなります。

ただし、取引先が紙を希望する場合や、押印・本人確認の運用によっては紙との併用が必要です。
そのため、電子署名、承認フロー、保存形式、改ざん防止、長期閲覧の方法を整理し、関係者と運用をそろえてください。

書類を電子化する手順

書類の電子化は、対象を決めずに一斉に進めると、不要なデータや二重管理が増える可能性があります。
選別、ルール設計、ツール選定、保存・運用の順に進めることが重要です。

ここでは、法令要件や現場の使いやすさを踏まえた4つの手順を解説していきます。

STEP1:電子化する書類を選別する

最初に、保有する書類を種類、利用頻度、保存期間、機密性などで分類し、電子化の優先順位を決めます。
頻繁に検索・共有する契約書や請求書は効果を得やすい一方、保存期限を過ぎた書類まで電子化すると無駄な費用が増えがちです。

また、原本保存が必要な書類や、廃棄時に承認が必要な文書もあります。
そのため、法令、契約、社内規程を確認し、電子化する書類、紙を残す書類、廃棄する書類を分けましょう。
対象件数を把握すると、費用や期間も見積もりやすくなります。

STEP2:電子化の方法と運用ルールを決める

対象書類を決めた後は、スキャン、OCR、外部委託、ボーンデジタル化など、書類ごとの方法を選びます。
同時に、ファイル名、保存先、保存期間、アクセス権限、承認手順、原本の取扱いを定めてください。
誰がいつ電子化し、誰が内容を確認するかを明確にすると、登録漏れや重複を防ぎやすくなります。

また、電子帳簿保存法などの対象書類では、法令要件を運用ルールへ反映する必要があります。
そのため、まずは少量で試行し、現場の意見を踏まえて調整しましょう。

STEP3:電子化の手段・ツールを選定する

ツール選定では、書類量、文字種、検索方法、利用人数、既存システムとの連携、セキュリティを比較します。
OCRが必要な場合は、実際の書類を使い、認識精度と修正時間を確認しましょう。
クラウド型では保存場所や認証方法、オンプレミス型では設備と保守体制も重要です。

なお、価格だけで選ぶと、必要な機能が不足したり、運用が複雑になったりする場合があります。
まずは、無料体験やデモを利用し、現場担当者が無理なく操作できるかも確かめてください。

STEP4:実際に電子化して保存・運用する

実作業では、決めた設定で書類をスキャンし、ページ抜け、傾き、文字の欠けがないか確認してから保存します。
OCRを利用する場合は、重要項目の誤認識も点検しましょう。
また、保存後は、定めたファイル名や分類項目を付け、必要な権限だけを設定します。

くわえて、タイムスタンプはすべての書類に一律で付けるのではなく、法令や運用上の必要性に応じて判断してください。
運用開始後は、検索性、登録漏れ、バックアップ状況を定期的に確認し、ルールを改善しましょう。

まとめ:書類の電子化で業務効率と安心を手に入れる

書類の電子化は、検索や共有をしやすくし、保管スペースや印刷・郵送の負担を減らす手段です。
さらに、適切な権限管理やバックアップを行えば、情報管理やBCP対策にも役立ちます。

ただし、電子化しただけで業務効率や安全性が高まるとは限りません。
対象書類ごとの保存要件や原本廃棄の可否を確認し、ファイル名、保存先、アクセス権限、承認手順などの運用ルールを整える必要があります。

そのため、導入時は書類量や利用目的に合うシステムを比較し、OCRの認識精度や修正工数も実際の資料で検証しましょう。
法令対応と現場の使いやすさを両立させることで、電子化の効果を長期的に高められます。

書類を電子化しても、見積書や請求書の転記作業が残ることがあります。
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この記事の監修者
株式会社アドバン
田中 博幸

株式会社アドバン代表取締役社長

「建設関連ソフトを通して世の中に貢献する」がモットーです。 創業から20年以上、重要な業務である積算や見積書作成などの効率化・高精度化に貢献したいとの思いで、建設業に特化したシステムの開発に取り組んできました。
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